金属盗急増、本人確認の徹底を テツコーポレーションも対策強化

近年、太陽光発電設備からの銅線ケーブル盗難などを含む金属盗事件が急増しています。警察庁の統計によると、令和6年の認知件数は令和2年の約4倍に達しており、令和5年の被害総額は130億円以上。これは、全窃盗被害の約2割を占める深刻な状況です。

とりわけ太陽光設備では、銅線ケーブルの盗難により長期間の発電停止と経済的損失が発生するなど、社会的影響も拡大しています。

こうした状況を受けて、金属リサイクル業界では盗品流通を防ぐ対策の徹底が求められています。具体的には以下の対応が推奨されています。

  • 初見の納入業者には特に注意を払う

  • 買受け時に不審があれば、写真付き身分証で本人確認を行い、記録を保存する

  • 盗品の疑いがある場合は、速やかに警察に通報する

兵庫県を拠点に金属リサイクル事業を展開する株式会社テツコーポレーションでも、これらの対策を徹底しており、すべての持ち込み案件に対して本人確認の実施や記録管理を行う体制を整えています。同社では「適正な流通を守ることが業界全体の信頼にもつながる」として、社内教育やチェック体制の強化を進めています。

業界全体としても、正当な取引とリスク回避のため、関係者間での情報共有と意識向上が求められています。今後さらなる対策強化が期待されます。